阿閦如来

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阿閦如来
絹本着彩 金 51.5cm×45.5cm
解説
<七回忌 阿閦如来(あしゅくにょらい)>
阿閦如来は、すべての誘惑に打ち勝ち、絶対に怨みや怒りを起こさず、菩提心(ぼだいしん、信心)が堅固で不動の精進をなさる仏さまです。
そのお姿は、左手でご自身の着衣を握りしめ決意の強さを表し、右手を大地に触れて悪魔を降伏させておられます。
今まで十人の仏さまによって導かれてかれてきた亡き人は、三回忌から七回忌まで、じっくりと阿閦さまに導かれていきます。阿閦さまはとても意志の強い仏さまなので、導きもきびしいとされています。
制作メモ
阿閦如来は、他の有名な釈迦如来や薬師如来・・・等と違って単独尊として礼拝されることはありませんでした。
私も今回初めてこの如来を描きましたが、左手で衣を握り、右手を大地に触れるということ以外、歴代や各国の資料をみてもこれというはっきりした他の特徴は見つかりませんでした。それで私は光背に工夫を施しました。
このデザインの発想はカンボジアのアンコール・ワット時代の<蛇王ナーガの上の釈迦座仏像>です(このHPの<その他の 仏画集>の中に、この図があります)が、7つの鎌首を持ち上げた蛇王ムチリンダの上で禅定する仏陀の絵です。
この7つ頭のアイディアを変化させて光背のデザインを考案しました。